『Border』が審査員特別賞 「製作国」と日韓の共同製作会社を分けて読む
第74回サンセバスチャン映画祭の審査員特別賞は、Ah Biao監督の『Bian jing / Border』に贈られた。公式作品資料には香港・米国・韓国が製作国として掲げられ、日本と韓国の会社が共同製作欄に記される。日本の会社名があることだけで、日本公開や資金負担の内容まで確定したわけではない。

第74回サンセバスチャン国際映画祭で、Ah Biao監督の『Bian jing / Border』が審査員特別賞を受けた。9月26日付の公式受賞一覧は、マイク・リー監督作『Tender Loving Care』の金貝殻賞とは別に、この作品を挙げている。賞の名前を一括りにすると、作品に対する最上位賞と、審査員が別の理由で評価した作品の関係が見えにくくなる。日本語の読者にとっては、作品資料に記された日本と韓国の共同製作会社の役割も確認する価値がある。
映画祭の公式作品ページは、製作国を香港・米国・韓国と表示する。一方、製作欄には香港のBorderless Filmsと米国のMala Productions、共同製作欄には日本のYangtze Visual Culture Co. Ltdと韓国のYilu Partners Co. Ltdなどを記載している。日本の会社が共同製作に参加したという記録と、作品ページの「製作国」に日本が含まれていないという表示は、同じ資料の異なる欄から読み取れる事実だ。ページは各社の出資額、契約上の権限、撮影担当範囲を明示していないため、社名だけから具体的な負担を推定できない。
作品は78分で、オリジナル言語は中国語の普通話とモンゴル語とされる。映画祭が示すあらすじでは、寡黙に暮らす若い鉱夫が、謎めいた女性との出会いをきっかけに慣れた世界から踏み出す。これは映画祭による物語の説明であり、現実の鉱山地域で起きた出来事の報道ではない。公式資料では監督が脚本と撮影も担当し、編集には監督を含む3人の名前が並ぶ。製作体制と創作上の担当を混同しないことが、国境を越える作品を理解する出発点になる。
映画祭の9月26日の発表は、審査員が形式上の大胆さと表現の明確さを評価したと説明する。映画祭の「公式審査員」規定では、特別賞は審査員が相応しいと判断する作品に授与でき、その理由を述べることになっている。したがって、この賞は作品の製作国を判定する制度でも、興行上の成功を保証する制度でもない。映画祭の発表と作品ページを照合すると、審査による評価と制作クレジットをそれぞれの根拠で記述できる。
映画祭の日刊記事は、Ah Biaoにとって長編第1作とし、撮影地を中国北部とモンゴルと伝えている。監督が国境を人間同士の見えない隔たりにも重ねるという説明は、作品を読む手掛かりになる。ただし、撮影地、製作会社の所在地、作品ページの製作国は同じ概念ではない。撮影が行われた場所の記述から、その国の公的助成や配給があったと推論することもできない。
10月1日までに確認した映画祭の一次資料からは、審査員特別賞の受賞と参加企業、上映時の作品情報までは確認できる。一方、日本国内での劇場公開日や配信予定は、これらの資料だけでは確定しない。掲載画像は映画祭の審査と国境を越える製作体制を概念的に表した生成イラストであり、実際の授賞式や映画の場面を記録したものではない。
프리즘코리아 편집국 > 小川美緒



