迂回港の原油輸出、6月の山から減少 アジア向け輸送費にも圧力
IEAによると、ホルムズ海峡を迂回するヤンブー・フジャイラ両港の輸出は6月の日量780万バレルから8月には550万バレルへ減った。EIAは紅海からスエズ運河を通る代替出荷がアジア向けには長く費用の高い航路になるとみる。日本の輸入額を推計した数字ではないことを明確にし、迂回量と着荷コストを分けて読む。

中東から原油を運ぶ別ルートがあるとしても、それだけでアジア向けの輸送費や到着時期が元に戻るわけではない。国際エネルギー機関(IEA)が9月18日に示した分析では、ホルムズ海峡を迂回するサウジアラビアのヤンブー港とアラブ首長国連邦のフジャイラ港からの輸出は、2月の日量410万バレルから6月に780万バレルへ増えた後、8月には550万バレルへ減った。紅海側への攻撃で、増やした迂回分の一部が再び失われた。これは日本の輸入実績ではなく、二つの湾岸輸出港を合算したIEAの推計である。
迂回の仕組みを分けて見る必要がある。ヤンブーはサウジの東西パイプラインで運んだ原油を紅海から積み出し、フジャイラはUAE側の海峡外の港だ。ホルムズを通らなくても、ヤンブー発の船は紅海の航路制約にさらされる。IEAは戦争開始から8月までに、こうした迂回輸出がホルムズの供給損失を累計5億バレル超、平均日量280万バレル分相殺したと試算した。ただし累計の相殺量は港に残る現在の在庫量ではなく、期間中に運ばれた量の合計だ。
その後の状況も一定ではない。IEAの9月18日分析は、ヤンブーへ原油を送る東西パイプラインが9月初めの攻撃で停止し、迂回輸送がさらに抑えられたと記す。一方でホルムズ海峡の輸送には増加の兆しがあるが、戦前の水準には届いていないという。8月の輸出量を9月末の安定した能力とみなすことも、海峡の通航増を全面正常化とみなすこともできない。IEAの港別数字の8月分は暫定値であり、9月12日までの情報を用いた分析だ。
米エネルギー情報局(EIA)の9月9日の見通しは、紅海側の別の制約を示す。サウジのヤンブー港からの8月の輸出は、船舶追跡データに基づく推計で7月のおよそ半分だった。EIAによれば、サウジは紅海北端のスエズ運河を経由する出荷を増やしており、アジアの顧客にとっては航路が長く、費用も高くなる。生産国から積み出せた原油が、従来と同じ日数・運賃でアジアに届くとは限らない点がここにある。
価格の読み方にも二つの層がある。IEAの9月石油市場報告では、北海産原油の現物指標であるNorth Sea Datedの8月平均は1バレル91.00ドル、9月9日には113.48ドルに上がった。同報告はタンカー費用も安全上のリスクと船腹需要を背景に大きく上昇し、運賃高がシンガポールの精製採算を圧迫したと説明する。原油そのものの国際指標価格と、特定の航路の運賃、製油所の採算は同じ数値ではない。北海指標の一日の値を、日本の輸入原油の通関価格や給油所価格へ直接置き換えることはできない。
日本の読者にとっての焦点は、代替経路の「存在」から実際の「着荷」までを追うことだ。EIAはパイプライン、陸路、船から船への積み替えを含む回避策が進むと想定する一方、産油・貿易の流れの大部分が戦前の平均に戻るのは2027年第2四半期と予測した。これは9月3日までに確定した情報に基づく条件付きの見通しであり、日本向け個別船舶の入港予定表ではない。迂回策が増えても、船舶の確保、航路の安全、積み替え、精製できる原油の種類によって着荷と製品供給の時期は変わる。
既存の日本語記事は国内備蓄の保有量、世界の海上在庫、軽油の需要予測、製油所の生産回復条件を扱った。本稿の問いは、供給を補うための海峡外ルート自体がどれほど変動し、アジア向けの輸送費にどう影響するかである。確認できたのは湾岸二港の輸出推移、紅海側の制約、国際指標と精製採算への影響までだ。日本の9月の輸入額や国内小売価格への上乗せ額は、これらの公表資料だけでは算定できない。
掲載写真は2008年に東京湾を航行した原油タンカー「SHINYO MARINER」の資料写真で、2026年の中東航路、運賃、個別の日本向け輸送を示す証拠ではない。
프리즘코리아 편집국 > 서유진 · Yujin Seo



