OECD石油在庫は増加、政府備蓄は減少 IEAの8月統計を分けて読む
IEAの9月報告では、8月の世界の石油在庫が減る一方、OECD全体の在庫は増えた。ただし政府在庫は減少している。商業在庫との違い、日本の過去の備蓄措置、EIAの予測期間を照合し、合計値だけでは見えない変化を整理する。

世界の石油在庫が減っているという説明だけでは、供給不安を和らげる備えがどこで変化したのかは分からない。国際エネルギー機関(IEA)が9月11日に公表した石油市場報告では、8月の世界の観測在庫は9500万バレル減った一方、経済協力開発機構(OECD)加盟国の在庫は2300万バレル増加した。同じ月でも、世界全体と地域別の動きは一致していない。
OECDの増加も、政府備蓄が積み増されたことを意味しない。報告は政府在庫が1900万バレル減少したものの、商業タンクの在庫増がそれを上回ったと説明する。国全体や地域全体の合計だけを見ると、政府が保有する緊急時の備えと、企業の営業活動に伴う在庫の変化を取り違えるおそれがある。
また、IEAは海上にある石油量が6500万バレル減ったとし、中東からのタンカー輸送への再度の攻撃を背景に挙げた。非OECD諸国の在庫減は5200万バレルで、中国が主導したという。これらは保管場所や地域に着目した説明だ。見出しの世界合計を、そのまま特定の国の備蓄取り崩し量として読むことはできない。
日本の政策にも、政府と民間を分ける視点がある。経済産業省は3月16日の発表で、民間備蓄義務量を15日分引き下げる措置と、当面1カ月分の国家備蓄石油を放出する決定を別々に示した。これは当時の対応を確認する資料であり、9月現在の備蓄残高を示すものではない。義務量の変更と実際の保有量も別の数字だ。
一方、米エネルギー情報局(EIA)の9月見通しは、世界在庫の取り崩しを第3四半期に日量300万バレル、第4四半期に同170万バレルと予測した。こちらは将来を含む期間の平均的な減少ペースであり、IEAの8月分の変化量と単純に大小を比べられない。発表日だけでなく、観測対象の月、予測期間、日量か総量かをそろえる必要がある。EIAの予測に使う情報は9月3日に確定している。その後の市況を織り込んだ実績ではなく、中東からの輸送が徐々に改善するとの想定を含む。新しい発表では、数字だけでなく前提の変化も確認したい。
日本語で供給リスクを追う際も、在庫の総量と保有主体をセットで確認したい。商業在庫の増加だけで緊急時の政府備蓄が回復したと判断することも、世界在庫の減少だけで日本の供給不足が確定したと判断することもできない。今回の報告が示すのは、地域や保有主体によって異なる在庫の動きである。
프리즘코리아 편집국 > 서유진 · Yujin Seo



