国連改革と供給網協力を掲げるP4M 共同宣言と制度変更を区別
EUやカナダなどが国連総会に合わせて発足させたP4Mは、国連憲章を守ることと制度改革を同時に掲げた。供給網やAIも協議対象だが、共同宣言と実施済みの制度を分け、企業向け支援や規制変更を早合点しない確認が必要になる。

欧州連合(EU)やカナダ、ブラジルなどは9月21日、国連総会に合わせて「多国間主義のパートナー」(P4M)を発足させた。共同宣言は国連憲章に基づく秩序の維持と制度改革を同時に掲げる。新たな市場や一律の関税措置を決めた文書ではなく、既存の国際機関をどう機能させるかを協議する政治的な枠組みだ。
欧州理事会の会合記録によると、発足を共同提案したのはEUとオーストラリア、バルバドス、ブラジル、カナダ、インド、ケニア。第81回国連総会のハイレベル週間の関連会合として開かれた。宣言にはこれとは別に、スペイン、ノルウェー、ウルグアイなどの国や欧州評議会が署名者として掲載されている。
宣言が出発点に置いたのは、対立や紛争の拡大、国際法違反、保護主義、威圧への懸念だ。経済的な相互依存が交渉上の圧力として利用され、貿易や供給網、投資、開発資金を揺さぶっていると指摘した。気候変動、生物多様性の損失、汚染に加え、人工知能の急速な発展も、各国の協力を必要とする課題に挙げた。
国連を支える原則では、主権の平等、領土保全、紛争の平和的解決、武力による威嚇や行使の禁止を再確認した。一方で、多国間制度は、代表性と包摂性を高め、現在の課題に合うよう改める必要があるとした。制度を守るという主張と、現状のままで十分だという評価は同じではない。
改革の対象には、UN80などの取り組みを通じた国連の強化を挙げる。紛争予防、危機対応、持続可能な開発、公正な貿易、人権と法の支配を支えられるようにする方針だ。パリ協定と持続可能な開発のための2030アジェンダを適時に実施する意思も明記した。ただし、この宣言だけで国連の組織変更が成立したわけではない。
経済分野では供給網の多様化と強靱化、多国間貿易制度の改革、国際金融の仕組みの改善を列挙した。金融、デジタル化、AI、気候、保健での調整も求めている。事業者にとって関心のある項目だが、文書には共同の予算の金額や、企業が申請できる支援制度の条件は示されていない。
今後は、世界の各地域のパートナーに開かれた定期的な意見交換を通じ、対話と実務協力を進める。日本語で国際経済を追う読者には、協力の方向を示す宣言と、実際の制度や予算の決定を分けて確認することが重要になる。参加国の具体策を追う出発点であり、署名だけを根拠に国内の規制や取引条件の変更を判断することはできない。
프리즘코리아 편집국 > 藤田圭



