ドリーの読書支援、点字の絵本と音声版で異なる利用条件
Imagination LibraryとAPHの協力は、絵本の物語を点字や音声でも共有できるようにするものだ。日本語読者に向け、米国での対象年齢や居住条件、音声版の専用機器、公式資料にある冊数表示の違いを確認した。

ドリー・パートンの読書支援を受け継ぐ仕組みは、紙の絵本を郵送するだけではない。Imagination Libraryは米国のAmerican Printing House for the Blind(APH)と連携し、点字と印刷文字を併用した本や音声版を用意している。追悼に関連する寄付先として名前が挙がる事業について、誰がどの形で本に触れられるのかを公式資料から確認した。
Imagination Libraryの案内によると、APHとの協力は二〇一一年から続く。通常の印刷物を読みづらい幼児と家族が、同じ物語を楽しむための連携だ。ただし、無料の音声ファイルが公開されていることは、どの機器でも自由に再生できることを意味しない。申込みや再生環境の条件は、音楽配信とは異なる。
APHの音声版ページでは、ファイルは暗号化され、NLSという米国の図書サービスを通じて貸与される再生機器が必要だと説明する。家族は先に子どもを登録し、機器を受け取る手順を踏む。ダウンロード後は圧縮ファイルを展開し、必要なファイル一式をUSBメモリーなどに移す。単独のファイルだけを移すと再生できないという注意もある。
点字の側では「Braille Tales」が、六歳の誕生日までの子どもと家族向けに、年六冊の印刷・点字併用本を無料提供すると案内している。対象は米国居住者で、視覚障害のある幼児のほか、六歳未満の子を持つ視覚障害のある親も含まれる。日本に住む家庭へ同じ条件で送付する制度と理解することはできない。
本には透明なラベルで点字を加える。印刷文字を読む大人と、点字に触れる子どもが一冊を共有でき、逆に点字を読む親が、絵を見る子どもへ読み聞かせることも想定されている。まだ点字を読めない幼児にとっても、文字に触れ、指を動かす機会を作るというのがAPHの説明だ。本稿は教育効果を測定した研究結果として紹介しているわけではない。
冊数には資料上の揺れがあった。連携紹介ページの質問欄には五冊という記述が残る一方、専用ページは年六冊と明記している。本稿は専用案内を基準に、実際の申込みでは条件の確認が必要だと考える。音声版と点字版は同じ事業に結び付くが、機器、対象年齢、居住地の条件まで共通ではない。支援の規模だけでなく、本が届いた後に読める形式を整える取り組みも、パートンの読書事業を理解する手掛かりになる。
프리즘코리아 편집국 > 小川美緒



